トー・ラム公安相はこのほど、ファム・ミン・チン首相の委任を受けて、政府が国会に提出する汚職事件捜査に関する報告書に署名した。公安機関は2021年10月1日から2022年9月30日まで、共産党政治局傘下の腐敗防止中央指導委員会が捜査を直接監視する深刻な事件を中心に汚職事件の捜査を強化してきた。
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報告書によると、同期間に摘発された経済管理関連の事件数は前年同期比▲36.7%減の5117件へと大幅に減少した。このうち、2390件が既に起訴されており、計4135人の容疑者が起訴されて捜査を受けている。
同期間に摘発された経済管理関連の事件のうち、汚職事件が同+41.0%増の523件に急増し、うち501件が起訴された。汚職事件で起訴されて捜査を受けている容疑者は計1211人となっている。特に深刻な事件としては以下のものが挙げられる。
◇不動産デベロッパーのFLCグループ[FLC](FLC Group)における架空増資・株価操作・詐欺・資産横領事件
◇不動産デベロッパーのタンホアンミン(Tan Hoang Minh)における社債発行に関する詐欺・資産横領事件
◇東南部地方ドンナイ省総合病院と総合商社AICグループ(AIC Group)による医療設備・器具の調達額水増し事件
◇ベトナム人民軍の軍医学院とベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation)から成るコンソーシアムによる新型コロナウイルス検査キットの研究開発(R&D)・評価・流通認可・価格設定・購買調達に関する一連の汚職事件
◇新型コロナを背景に運航された帰国者向け特別便の認可を巡る汚職事件
上記のように、新型コロナを背景とした事件が非常に目立った。特に、検査キットに関する汚職事件ではこれまでに、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)が26人、各省・市の警察が63人の容疑者を逮捕しており、計89人の容疑者が捕まったことになる。逮捕された容疑者には、元科学技術相でハノイ市共産党委員会副書記 兼 人民委員会主席を務めていたチュー・ゴック・アイン容疑者、前保健相のグエン・タイン・ロン容疑者などが含まれる。
一方、コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が手配した特別便の運航を巡る汚職事件でも、数十人の容疑者が逮捕されており、この中には、前外務次官のトー・アイン・ズン容疑者などが含まれている。