ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナから退避する現地在住のベトナム人らを乗せた最初の帰国便が8日午前11時25分、ハノイ市ノイバイ国際空港に到着した。
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この帰国便は、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)が運航する「VN88便」で、287人を乗せて7日にルーマニアの首都ブカレストを出発し、約11時間の飛行を経てハノイに到着。乗客のうち、71人は12歳未満の子供たちだった。
ファム・クアン・ヒエウ外務次官 兼 在外ベトナム人国家委員会委員長は、空港まで足を運び、乗客らの安全な帰国を祝して花束を贈った。
ロシア軍による突然の軍事侵攻により、ウクライナに家財を残してきた者、現地での学業を諦めざるを得なかった者、親しい人や友人との別れを余儀なくされた者なども多かった。帰国したベトナム人の中には、祖国の地に足を踏み入れた安堵とウクライナでの日常を奪われた悔しさが入り混じった複雑な感情を抱いて涙する人の姿もあった。
スーツケースに衣類など必要最低限の物だけを詰め込んで退避したため、身分証明書などの書類を持ち帰ることが出来なかった人もいた。帰国したベトナム人らは終戦を強く祈っており、大半がウクライナに戻ることを望んでいる。