ハノイ市と東北部地方バクザン省で、中学校と高校の生徒2人が新型コロナウイルスワクチンを接種後に死亡した。接種したワクチンは、保健省が12~17歳の未成年者に接種するワクチンとして指定した米ファイザー(Pfizer)製だった。
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ハノイ市トゥオンティエン郡で27日午前8時14分、中学4年生(日本の中学3年生に相当)の女子がワクチン接種を受け、翌日になって発熱した。トゥオンティエン郡総合病院に救急搬送されて応急処置を施された後に同市のバックマイ病院に転送され、集中治療を受けたが、同日午前10時ごろに死亡が確認された。
一方、バクザン省ソンドン郡(huyen Son Dong)では24日午前、ワクチン接種後に高校生4人がアナフィラキシーショックを起こした。このうち、重体だった2人がバックマイ病院に救急搬送され、体外式膜型人工肺(ECMO)の治療を受けていたが、1人(男性・16歳)が3日後に死亡した。別の1人の症状は改善している。また、軽症だった2人はソンドン郡医療センターで治療を受けた後、27日午後に退院した。
これに関連し、北中部地方タインホア省ノンコン郡(huyen Nong Cong)では23日、郡内のキムベト履物(Vietnam Kim Viet Footwear)で行われた従業員向けの職域接種で接種後に複数人がアナフィラキシーショックを起こし、うち4人が死亡した。
ワクチンは中国シノファーム(Sinopharm=中国医薬集団)製の「ベロセル(Vero Cell)」を使用し、商品ロット番号は「B2021103398」だった。同省保健局は調査を経て、医療過誤はなかったとみて、25日夜に死因はアナフィラキシーショックによるものだと結論付けた。該当の商品ロットは、ワクチン・バイオ製品国家検定研究所(NICVB、ハノイ市)で品質検査を行うことになっている。
これを受けてファム・ミン・チン首相は保健省に対し、公安省をはじめとする関連省庁、タインホア省人民委員会と協力して調査を行い、30日までに報告するよう促した。