北中部地方タインホア省で米ファイザー(Pfizer)製の新型コロナウイルスワクチンを接種した多くの生徒に異常な症状が現れたことを受け、同省疾病管制センター(CDCタインホア)は生徒らに接種された商品ロットのワクチンの使用を一時停止している。
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この商品ロットは、米食品医薬品局(FDA)がマイナス90~マイナス60度で保管されるファイザー製ワクチンの有効期限を従来の6か月から9か月に延長すると決定したことを受けて、ファイザーとベトナム保健省のガイダンスに従い、有効期限を従来の2021年11月30日から2022年2月28日に延長したもの。
同省では11月30日、15~17歳の未成年者を対象に1回目のワクチン接種を開始した。CDCタインホアによると、2日までにワクチンを接種した生徒895人が吐き気や頭痛、めまい、寒気などの症状を訴え、多くの生徒が省内の病院に緊急搬送された。
このうち、複数の郡の生徒26人が重体となったが、治療を受けて容体は安定し、快方に向かっている。残る869人は軽症で、引き続き自宅で経過観察を受けている。
多くの生徒が体調不良になった原因は明らかになっておらず、同省当局は引き続き調査を急いでいる。CDCタインホアはほかの商品ロットのワクチンを使用して、生徒向けの接種を続けている。各接種会場では緊急事態に備えて救急車を配備し、迅速に対応できるよう約20人の医師も確保して警戒を強めている。
これに先立ちタインホア省では、11月末に行われたキムベト履物(Vietnam Kim Viet Footwear)の従業員向け職域接種で30人に異常な症状が現れた。このうち5人がアナフィラキシーショックを起こして4人が死亡した。この職域接種では、中国シノファーム(Sinopharm=中国医薬集団)製の「ベロセル(Vero Cell)」を使用していた。
なお、ハノイ市でもワクチン接種を受ける子供を持つ多くの保護者が、期限を延長したファイザー製ワクチンの接種を拒否しており、市保健局が当該ロットのワクチン使用を一時停止している。