この2か月、密造酒を飲んだ患者が病院に緊急搬送されるといった事例が相次いで発生している。ハノイ市のバクマイ病院では、この間に7人以上の中毒患者を受け入れ、うち1人が死亡し、1人は脳と目に障害が残った。
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死亡した患者は32歳の男性で、紅河デルタ地方バクニン省で犬肉を食べながら飲酒していたところ中毒症状を発症して病院に担ぎ込まれた。検査結果によると、男性が摂取していた酒からは、通常の酒類に含まれる2倍近くのメタノール量が検出された。
男性が摂取していたのは、ポリ容器詰めで販売されているいわゆる地酒で、ラベルに記載された製造元は同地方フンイエン省の蒸留酒製造所となっていた。これと酷似した酒を飲んで中毒となり、病院に搬送された患者は少なくとも別件で3人確認されており、当局が調査を進めている。
死亡した32歳の男性は、入院する3日前に個人商店で問題の酒を購入し、滞在先で知人3人と一緒に飲んだ。この知人らも同じく中毒症状を発症して入院したが、その後に回復している。
医師や専門家によると、この数年多くの密造酒による被害が発生しているが、その手口は非常に巧妙になっている。同じ生産ラインだとしても、各製品はそれぞれ異なるブランド名で販売されており、ラベルには製造元の会社名や所在地が明記されているため、多くの消費者は本物と誤解して購入してしまうのだ。