メコンデルタ地方アンザン省チョモイ郡オンチュオン小島(cu lao Ong Chuong, huyen Cho Moi)のハウ川沿いに位置するニョンミー村(xa Nhon My)は、100歳を超える高齢者が多数暮らしており「長寿村」と呼ばれている。
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同村高齢者会のグエン・バン・トゥンさんによると、同村では60歳以上の高齢者が1785人にのぼり、村の中でもニョンアン集落(ap Nhon An)では85人が80歳以上だという。同集落では、直近で亡くなった住民のうち3人が100歳を超えた大往生で、最高齢者は117歳だった。10月下旬に同集落で行われた高齢者の集いには、男女ともにたくさんの高齢者が参加し、90歳を超えていてもバイクで駆けつけた人が少なくない。
ラム・ミン・フーさん(男性・88歳)は、高齢の現在も慈善活動として薬草を採って寄付している。フーさんはご長寿に至った背景をこう語る。「若い頃は自然のままの米や野菜を食べていましたが、今の暮らしはどうですか。環境汚染で昔のようなきれいな空気はありませんし、豚肉はあらゆる病気に晒されて、食品はどれも添加物ばかり。野菜だって農薬だらけで、人が病気にならないはずがないでしょう」。
ドアン・バン・ウンさん(男性・97歳)のご長寿の秘訣はこうだ。「毎日規則正しく食事を摂り運動をしています。私の楽しみは慈善活動ですね。時間を見つけては無農薬で野菜や果物を育てています、節約にもなりますしね。あとはのんびり暮らすことと、のんきな性格が幸いしてお陰様で元気に暮らしています」。
「ご長寿さん」に共通して言えることは、常に体を動かしていることや慈善活動をしていること、酒たばこの嗜好は少なく、自然豊かな環境で楽しく過ごしている点だ。
ニョンアン集落では、2015年に高齢者の有志たちが発起人となり漢方薬店グループが立ち上がった。リーダーを務めるフーさんを筆頭に、80歳超のメンバー10人で活動している。メンバーは薬草を採取してきては毎日フーさんの自宅に集まり、薬草を切り干ししたり包装して診療所へ寄付している。薬草探しや採取は男性陣、残りの工程は女性陣が担当している。
グエン・ティ・ニーさん(女性・92歳)は、高齢のため所有していた土地を全て子供たちに譲渡し、現在はのんびり暮らしている。グループの活動に参加するようになってからより健康になったと語る。
また、グエン・ティ・チエウさん(女性・92歳)は「グループの活動を存続させるために、それぞれできることをして貢献しています。仕事は早朝からお昼までで、慈善活動の場所でありながら毎日楽しく元気に通っています」と、生き甲斐になっているようだ。