ベトナムの国会議長が2018年12月に韓国を訪問した際、政府専用機に同乗していたベトナム国籍の9人が韓国で行方をくらましていたことが明らかとなった。韓国・文化放送「MBC」が23日のニュースで報じている。
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失踪した9人のうち、これまでに2人が身柄を確保されてベトナムに強制送還となったが、残る7人は現在も逃走を続けている。この報道を受けて、ベトナムのグエン・ハイン・フック国会官房長官は25日、「失踪した9人は、国会議長の率いる外交代表団のメンバーではない」と弁明した。
グエン・ティ・キム・ガン国会議長は、韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の招きを受けて、2018年12月4日から7日の日程で韓国を公式訪問。ガン国会議長が率いる外交代表団には、国会常務委員や政府高官20人が含まれていたという。
ベトナム計画投資省は同時期に韓国にて、在ベトナム韓国大使館および韓国商工会議所と協力して貿易投資促進会議を開催。同省は、ガン国会議長に同会議での講演を依頼するとともに、同会議に参加する企業各社の幹部らを専用機に同乗できるよう要請した。企業代表団のメンバーは、外交ビザで入国したわけではないが、企業の選定や宿泊先の手配を担当したのは計画投資省だった。
グエン・チー・ズン計画投資相は、「韓国入国直後に全員のパスポートを預かる形で失踪防止対策に取り組んだが、失踪を防ぐことは出来なかった。これを教訓として今後は、代表団メンバーの選定をより一層慎重にしていきたい」とコメントした。
なお、ベトナムにおいて政府専用機を公務で利用できるのは「四柱」と呼ばれる国の最高指導者4人(共産党総書記、国家主席、首相、国会議長)に限られる。