ベトナムのグエン・ティ・キム・ガン前国会議長(2016~2021年任期)が2018年12月に韓国を訪問した際、企業代表団のメンバーとして政府専用機に同乗していた複数のベトナム人が韓国で行方をくらました事件で、ハノイ市人民裁判所は20日、渡航を手配した被告8人に有罪判決を下した。
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GVA社の社長レ・ティ・リエウ被告(女・35歳)が主犯格として特定され、不法出国手配罪で禁固5年の判決を言い渡された。
計画投資省傘下の経済情報誌の幹部を務めていたチャン・ティ・トゥエット被告(女)と、TDベトナム訓練教育コンサルティング社社長のルオン・マイン・フン被告(男)の2人も同じ罪に問われ、それぞれ禁固1年8か月の判決を受けた。
不法出国仲介罪に問われていた残る5人は禁固1年6か月~3年で、うち1人は執行猶予付きの判決だった。
被告らは2018年から不法出国手配を企み、客を集めていた。国会対外委員会は2018年8月、国会議長の中韓訪問(期間:2018年12月4日~7日)の準備の一環として、貿易投資促進を目的に、計画投資省に対し国会議長の訪韓に同行する企業役員の推薦を要請した。
被告らはこの機会を悪用し、企業登録証明書や労働契約書、給与支払い証明書などを偽造し、同行を申請。企業幹部を装って6人を韓国に送り出した。不法入国者は韓国に到着後、「取引先との商談がある」や「免税店で買い物をする」などと言い、パスポートを保管していたガイドからパスポートを取り戻し、そのまま行方をくらました。
なお、被告らが手配した6人中4人はすでに発見され、ベトナムに強制送還された。4人は公安省傘下の出入国管理局から行政処分を科された。被告らから払い戻された手配の手数料について、裁判所は4人の境遇を考慮し、没収しないこととした。手数料は1人につき1万USD(約110万円)だったという。