ベトナムの国民的漫画「ベトナムの神童(Than dong Dat Viet)」の著作権を争う裁判の控訴審で、ホーチミン市人民裁判所は3日、一審の判決を支持し、控訴棄却の判決を言い渡した。裁判所は、漫画家レ・リン(本名:レ・フォン・リン)氏が同作品の唯一の作者であることを認めた。
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同作品はリン氏を作者として、ファンティ出版社(Phan Thi)が2002年から2005年にかけて78巻まで出版した。リン氏が執筆を止めてからも、同出版社のファン・ティ・ミー・ハイン社長が企画段階で作品に参加していたことから共同著作権を持つと主張し、別の漫画家を起用して「ベトナムの神童」の派生作品の出版を継続。リン氏が著作権の保護を求めていた。
裁判所は、法律は作品を直接創作した人を作者と認め、サポーターやアドバイザーは作者と認めていないとし、今回のケースではリン氏は作者に該当するが、ハイン氏の主張には根拠がないと断じた。派生作品を制作する権利については、同出版社の権利を認めたが、リン氏が創作した主要キャラクター4人の修正や歪曲など、リン氏の名誉や威信を傷つける行為は許されないとした。
裁判所は、ファンティ出版社がリン氏の著作権を侵害したと認定し、同社に対し新聞2紙への3日連続の謝罪文掲載と原告の弁護士費用1500万VND(約6万9400円)の支払いを命じた。