漫画家レ・リン(本名:レ・フォン・リン)が原作・イラストを手掛けた「ベトナムの神童(Than dong Dat Viet)」の著作権をめぐる裁判が18日、ホーチミン市1区人民裁判所で行われ、裁判所は作者であるリン氏の権利を全面的に認める判決を下した。同作品は2002年に第1巻が発行され、これまでに220巻以上が発行された人気作品。
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裁判所は今回、リン氏が同作品の唯一の作者であると認め、作品に登場する主要キャラクター4人の著作権を有すると判断し、ファンティ出版社(Phan Thi)に対して同作品をもとにした派生作品の制作中止を指示。さらに、マスコミ向けに謝罪した上で、リン氏を担当した弁護士への報酬1500万VND(約7万2000円)の支払いを命じた。
リン氏は2002年から2005年にかけて、「ベトナムの神童」の第1巻~第78巻を執筆。作品自体は第78巻で完結したものの、発行していたファンティ出版社のファン・ティ・ミー・ハイン社長が企画段階で作品に参加していたことから、共同著作権を持つと主張し、ほかの漫画家に続編執筆を依頼した。
これにより、「ベトナムの神童」は220巻以上も発行される長寿連載となったわけだが、作者のリン氏は2007年の時点で著作権の保護を求めて訴訟を決意。しかし、法の不備などにより実際に裁判で判決が下されるまで12年もの長い年月がかかってしまった。