ベトナムはこのほど、国際労働機関(ILO)の1949年の団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約(第98号条約)を批准した。国会が93.4%の賛成多数で決議を採択した。
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第98号条約は、ILOの8つの基本条約の1つで、1949年7月1日にILO総会で採択された。同条約は16条から成り、労働者と労働組合に対する差別的待遇からの保護、労働組合に対する使用者の干渉からの保護、自主的団体交渉の促進策などについて規定している。
多くの企業では労働組合が経営陣に支配されているのが現状だが、ベトナムが同条約を批准することにより、こうした状況を打開することが求められる。ILO側は「労働組合を独立させることは、労働環境や労働生産性の改善、ひいては持続可能な労使関係にもつながる」とコメントした。
第98号条約を含めて、ベトナムはILOの6つの条約を批准している。他の5つの条約は、◇1930年の強制労働条約(第29号条約)、◇1951年の同一報酬条約(第100号条約)、◇1958年の差別待遇(雇用及び職業)条約(第111号条約)、◇1973年の最低年齢条約(第138号条約)、◇1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号条約)。
ベトナムは2020年に1957年の強制労働廃止条約(第105号条約)を、2023年に1948年の結社の自由及び団結権保護条約(第87号条約)を批准すべく準備を進めている。