ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」に写る当時9歳の少女だったカナダ国籍のファン・ティ・キム・フックさん(55歳)が、ドイツの国際平和賞「ドレスデン賞」を受賞し、現地時間11日にドイツのドレスデンで行われた授賞式に出席した。
(C) vnexpress |
「戦争の恐怖」は、当時AP通信サイゴン支局の報道写真家として勤務していたベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏が1972年6月8日に撮影したもの。
南ベトナム軍の戦闘機が投下したナパーム弾の爆撃を受けた東南部地方タイニン省チャンバン郡の村から逃れる村人たちを捉えた写真で、中央に写った裸で走る少女がフックさんだ。この写真は翌年の1973年にピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞している。
今回の受賞は、「ナパーム弾の少女」として世界中で知られるフックさんの、子供の頃に戦争で傷を負った人々に対する支援活動や平和のための活動を称えるもの。ドレスデン賞は2010年から毎年発表されており、今年で第10回を迎えた。2010年の第1回は、ミハイル・ゴルバチョフ旧ソ連共産党書記長が同賞を受賞している。