ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」でピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞したことで知られる、ベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏はこのほど、「戦争の恐怖」を含む報道写真52枚と戦場で使用していたカメラ2台をハノイ市のベトナム報道博物館に寄贈した。
(C) congluan, ニック・ウット氏(左) |
52枚の写真は、ニック・ウット氏がベトナム戦争の際にこれらのカメラを使って撮ったもの。同氏は、ベトナムの国の歴史を守り、若い世代に受け継ぐ場所に贈りたいとして、同博物館に写真とカメラを寄贈したという。
ニック・ウット氏は1951年にメコンデルタ地方ロンアン省で生まれ、ベトナム戦争当時はAP通信サイゴン支局の報道写真家として勤務していた。
同市が1972年に撮影した、ナパーム弾による爆撃を受けて全身に火傷を負い裸で走る当時9歳の少女ファン・ティ・キム・フックさんを捉えた「戦争の恐怖」は全世界に配信され、有名になった。同作品は翌年の1973年にピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞した。