ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」で知られる、ベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏が13日、米国のホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領から米国民芸術勲章を授与された。「戦争の恐怖」は別名「ナパーム弾の少女」の名でも知られている。
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ウット氏は1951年に南部メコンデルタ地方ロンアン省で生まれた。1960年代にAP通信のベトナム事務所で戦場カメラマンとして働き始め、2017年3月に引退した。ベトナム戦争中の1972年6月8日にナパーム弾による爆撃を受けた東南部地方タイニン省の村から逃げる子供たちを撮影した写真「戦争の恐怖」は、ベトナム戦争に対する世界の見方を変えた。
この写真によりウット氏は1973年にピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞した。また、米コロンビア大学が選んだ20世紀で最も影響の大きい写真トップ100で、41位にランキングされた。
1966年にピューリッツァー賞を受賞した戦場ジャーナリストのピーター・アーネット氏はこの写真について、「ベトナムで数年にわたって日常的に起きていたことを明らかにした。ナパーム弾が村々を襲って村人を殺し、恐怖に陥れていた。これまで誰も見ることのない写真だった」と語っている。