ホーチミン市1区の歩行者天国グエンフエ通りでは、1年ほど前から夜8時頃になると1km足らずの区間にミッキーマウスやピカチュウ、ドラえもんなど20体近くの着ぐるみが集まり、行き交う人にアメを売り歩いている。
(C) Minh Phuong, Tuoi Tre |
子供に手を振りながら近づいて頭を撫で、「いないいないばあ」をしたり抱き上げたりすると子供たちは大喜び。サッと子供にアメを差し出して親を促すと、誰もが笑顔で快く代金を支払う。
アメの売値は1本2万VND(約104円)で着ぐるみの取り分は5000VND(約26円)、一晩で10万VND(約521円)程の収入になる。会社に雇われて着ぐるみを着ている人が多いが、自腹で大きさやキャラクターによって300万~600万VND(約1万6000~3万1000円)する着ぐるみを購入しアメを売り歩く人もいる。
着ぐるみを着ているのは高校生や大学生を中心とした若者たち。短大を卒業したものの仕事が見つからず、就職活動をしながら昼間はカフェで夜は着ぐるみ姿で生活費を捻出する24歳の男性、公演がない夜に新婚の妻と着ぐるみでアメを売る28歳のアマチュアマジシャンなど、着ぐるみを着る事情も様々だ。
歩行者天国には着ぐるみのアメ売りのほか、社会経験や商売のノウハウを学びたいと仲間内で制作したキーホルダーを売る人や、開業を夢見て手製のチーズケーキを売る学生グループなどもいる。