ベトナム社会保険庁によると、ベトナムの現行の定年退職年齢(男性60歳、女性55歳)は平均寿命が67歳だった1960年に規定されたもので、平均寿命が73歳まで延びている現状に即していないという。年金の給付期間は、1人当たり平均13年間の試算に対して実際には平均19年間に延びており、社会保険基金の収支バランスが崩れている。
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また、統計によると、規定の定年年齢で退職する人は全体の約40%に留まり、実際には約60%の人が定年年齢よりも前に早期退職しているという。こうした中、保険料を引き上げれば労働者や企業の負担になるため、ベトナム社会保険庁は平均寿命に即して定年年齢を引き上げるべきだとしている。
これに先立ち、労働傷病兵社会省は9月、2017年に政府へ提出予定の労働法改正案に対する意見聴取を行った。この中には、定年年齢を男性62歳、女性58歳に引き上げる案が盛り込まれている。同案は2014年の社会保険法改正時にも提案されたが、国会で否決された。
なお、VNエクスプレス(VnExpress)紙がオンラインで実施した読者アンケートでは、19%が「定年年齢を引き上げるべき」、81%が「定年年齢を上げるべきでない」と回答している。