韓国の済州(チェジュ)島で13日、ベトナム人観光客56人が行方をくらましていたことが明らかになった。韓国はベトナム人観光客の誘致を目的として、観光目的且つ30日以内の日数で同島に滞在する場合に限り査証(ビザ)免除措置を認めているが、56人はこの措置を利用して韓国に入国し、姿を消したようだ。
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12日、ベトナム人観光客155人が同島に到着したが、21人は入国を拒否された。姿を消した56人は、入国を許可された134人に含まれている。韓国出入国管理機関は同島の民宿や工場を捜索し、18日までに56人中28人の身柄を拘束した。
これまでにも韓国でのベトナム人観光客の逃走事件はしばしば発生しているが、行方不明になる人数は毎回1~2人程度だったことから、56人という大人数での集団逃走は今回が初めてとなる。
当局は、56人が初日に泊まったホテルの監視カメラを調べた結果、不審な韓国人男性が逃走を支援していたことを確認。この男性及び残る28人の行方を追うと共に、これに関わった疑いのある民宿のオーナーを捜査している。
ベトナム観光総局は、ベトナムのイメージに傷をつけた重大な事件として、逃走した観光客らにツアーを提供したベトナムの旅行会社4社に対し説明を求めると共に、事業ライセンスの取り下げも含めて厳格に処分する方針だ。
なお、韓国出入国管理当局によると、2015年3月15日時点で同国において不法滞在及び不法就労を続けているベトナム人の数は2万6340人に上り、同国に正規滞在しているベトナム人全体(13万0702人)の20.2%を占めているという。不法滞在者の数は、2011年末の3倍にも膨らんでいる。
※最終更新:2016年1月19日11:30 JST