北中部ハティン省キーアイン郡ブンアン経済区で3月25日に発生した台湾フォルモサグループの足場崩落事故で、同省人民裁判所は4日間の裁判を経て、工事の最高責任者だった韓国人のキム・ジョンウク被告(男・43歳)に対し、労働安全衛生に関する規定違反で禁固3年6か月の判決を下した。
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同工事で作業員の管理を担当していた、同じく韓国人のイ・ジェミョン被告(男・62歳)及び現場で作業を行っていたベトナム人作業員のグエン・アイン・トゥアン被告(男・27歳)にはそれぞれ禁固3年、グエン・タイ・ドゥック被告(男・30歳)には禁固2年6か月の判決が言い渡された。
韓国人2人は工事を指導する立場として責任を取り、ベトナム人作業員2人は設備の故障を上司に報告せず自ら修理し事故の一因を誘発したことを反省し、全員が罪状を認めると共に、被害者と遺族に謝罪した。
裁判所は、越韓両国の友好関係を考慮し、被告らが深く反省していること、所属会社が賠償したこと、被害者並びに遺族が減刑を求めたことなどを酌量して、複数の犠牲者を出した事故としては軽い量刑を科した。
なお、事故が発生した足場の設計・製造・組立を担当したスウェーデンのビギング・ウデマン社(Bygging Uddemann AB)については、ベトナムに代表が駐在していないため、今回の裁判で処分することができない。裁判所は同社の処分に向けて、引き続き調査を進めるよう捜査当局に要請した。
同事故は、フォルモサグループが展開する製鉄複合地区案件の一部、ソンズオン深港建設工事現場で高さ30mの足場が崩落したもので、下敷きとなったベトナム人作業員ら13人が死亡、29人が重傷を負った。