ベトナムの大学入学試験では、遠隔地の貧困地域の受験生や戦争時代の功労者を親に持つ受験生に対し、加点の優遇措置を適用している。今年から高校卒業試験と入試が一つの試験に統一されたことに伴い、加点に関するガイダンスも発出されたが、解釈の食い違いで「合格」したはずが入学後に「不合格」となってしまうケースが生じている。
(C) vnexpress, トゥアン君(左)と父親(右) |
南中部沿岸地方クアンガイ省クアンガイ市のグエン・スアン・アイン・トゥアン君は、加点対象でありながら合格が不合格になってしまった1人だ。北中部トゥアティエン・フエ省フエ大学傘下のフエ医薬大学総合医科学部を志望していたトゥアン君は、計1.50点(遠隔地で0.50点、功労者の子で1.00点)の加点を含む27.25点で合格し、9月に同大学へ入学した。
しかし、入学から1か月ほど経った10月上旬、大学は、トゥアン君の父親が加点対象となる功労者の類に該当しないとして、優遇措置を取り下げると共に、加点がなければ合格点に満たないトゥアン君に退学を命じた。大学は合格点が低い他学部への転学を勧めたが、総合医科学部を強く志望するトゥアン君は、来年また同学部の入試に挑戦するという。
また、居住地及び学校の所在地に基づく遠隔地の貧困地域の受験生に対する優遇措置でも問題が生じている。受験生は、教育訓練省のデータベースの地域によって分類されるが、分類ミスにより、合格から不合格となった人が大勢いるという。