カンボジアのコンポンチュナン州政府の決定により、同国トンレサップ湖に住む水上生活者約1500世帯は、今月15日から25日までの間に別の地域へ移転しなければならない。移転対象世帯には、ベトナム人の約900世帯が含まれている。今回の移転は、同地域の美観を高め、観光開発につなげることが目的だ。
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コンポンチュナン州に住む移転対象世帯のうち、ベトナム人世帯が全体の6割を占める。残りはクメール族及びチャム族のカンボジア人世帯となっている。現在までに、対象世帯の9割が移転に同意しており、ベトナム人の約200世帯が移転済みだという。移転先は、これまでの居住地から5km離れたところにある。
トンレサップ湖は、水上生活者の数で世界最大規模を誇る。ベトナム人がこの湖で生活するようになったのは、ポル・ポト政権が崩壊した1979年からのこと。大半の世帯が貧困層で、カンボジア国籍も有しておらず、漁獲で生計を立てている。