クアンナム省:危ない通勤・通学路、タイヤチューブで急流渡り

2015/04/08 08:46 JST配信

 南中部沿岸地方クアンナム省ナムチャーミー郡タックロイ村は、周囲を高い山々と幅70mのチャン川に囲まれており、外界から孤立した村だ。村民は、通勤・通学の際、タイヤチューブをボート代わりにして、年中流れの速いこの川を行き来している。

(C)  vnexpress
(C) vnexpress

 タックロイ村には、少数民族カゾン族が約30世帯暮らしており、人口は100人余り。他の多くの少数民族村と同じく、国内で最も貧しい村の一つだ。幅70mの川を越えれば、省都タムキー市まで向かうバスに乗ることができ、約10分で中心部に到着する。山を越えた場合は6時間もかかるため、大幅な時間短縮になる。

 村民は以前、通勤や通学、買い出しの際、服をビニール袋に入れて泳いで川を渡っていたが、水難死亡事故が相次いだため、タイヤチューブで川を渡るようになった。船頭役は村の健康な若者が務め、タイヤチューブを押して、村民を向こう岸まで運ぶ。

 この作業、乾季は比較的楽だが、雨季は川の水が増えるため、かなりの重労働となる。幸いまだ事故は起きていないが、以前たくさんあったタイヤチューブは穴が空いてしまい、現在は1本しか残っていないため、定員1人のこの方法では限界があり、急ぎの人は今でも泳いで川を渡っている。

 タックロイ村以外にも、この地域では橋が架かっていない、または橋まで遠いという理由で、タイヤチューブを使って川を渡る村民は多い。同地方自治体の代表者は、「小舟を渡す計画もあったが、その場合は管理費や通行料も発生するため、貧しい村民には負担が大きいことから、まだ実現していない」と述べた。

[Tien Hung vnexpress 31/3/2015 | 00:00 GMT+7U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 西北部ディエンビエン省ムオンチャー郡人民委員会は、地域の子供たちが安全に登校できるように、同省の...
 ハノイ市で26日、労働傷病兵社会省と米慈善財団ブルームバーグ・フィランソロピーズ(Bloomberg Philant...
 南中部高原地方コントゥム省には、今もなお住民が生活のため危険を顧みず手作りの簡易的なロープウェイ...
 南中部沿岸地方クアンナム省ゴックリン山の裾野にあるナムチャーミー郡は、吊り橋の数が国内で最も少な...
 西北部ディエンビエン省ナムポー郡ナヒ村のサムラン地区は、村の中心から18キロも離れた山の中にある。...

新着ニュース一覧

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
トップページに戻る