北中部タインホア省タックタイン郡タインタン村にある民家の庭で19日、古びた銅鼓1点と青銅鍋2点が発見された。これらの遺物は、かつて同地域に居住した古代のムオン族が残したものと見られている。
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発見者の村人によると、夫婦で庭の土を掘り返していた際、複数の金属片が出てきたため更に1.5mほどの深さまで掘り進めてみたところ、銅鼓1点と青銅鍋2点、計3点の青銅器が出土したという。3点は互いに積み重なった状態で埋まっており、錆びは付着しているもののほぼ完形だった。
これらが古代の遺物であると判断した夫婦は、家へ持ち帰り土を落として神棚に祭った。その後、銅鼓が発見されたという噂を聞きつけて、これを一目見ようと多数の地元住民が夫婦の自宅を訪れた。
考古学の専門家は3点の遺物について、古代人が死者と共に埋めた副葬品の可能性があるとしている。タックタイン郡警察は現在、3点の遺物を引き取って年代などの調査を行っている。
なお、銅鼓は中国南西部から東南アジア島嶼部にかけて広く分布する先史時代の祭祀遺物。ベトナムでは特に北部の紅河流域を中心に発展した青銅器時代のドンソン文化(紀元前4世紀頃~紀元後1世紀頃)の遺物として知られているほか、現在でも一部の少数民族の間で受け継がれている。