北中部トゥアティエン・フエ省フーバン郡にあるホアズアン区域(旧トゥアンアン港)でこのほど、漁民が海底からグエン(阮)朝(1802~1945年)の遺物と見られる巨大な木製のいかりを発見した。
(C) dantri |
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このいかりは長さ8.1m、厚さ30cmで、頂部に鉄製の輪が装着されている。良質な木材が用いられており、長い間海水に浸かっていたにも関わらず腐敗もしていない。ただし、鉄の部分はかなり錆びている。
同郡トゥアンアン町在住の漁民、グエン・ハオさん(男性・43歳)は、同区域で漁をしている時にこのいかりを発見した。その後、同町に住むグエン・バン・チンさん(男性・30歳)が、金0.3テール(11.25g)とビール2ケース(約1000万VND=約5万2000円相当)でこれを買い取った。
チンさんはいかりを持ち帰った後、その古さからグエン朝の遺物なのではないかとフエ遺跡保存センターへ報告した。同センターのファン・タイン・ハイセンター長によると、現在、同センター傘下のフエ宮廷骨董博物館が起源や年代などについて調査を行っているという。
ハイセンター長は、「鉄製のいかりを製作する技術がなかった頃は、木製のいかりが一般的だった。もしこれがグエン朝時代のいかりであれば、非常に貴重なものだ。フエ宮廷骨董博物館はもちろん、トゥアティエン・フエ省でもこのようないかりは見たことがない」とコメントした。
また、フエの古物研究家ホー・タン・ファン氏によると、このいかりは広南国(1558~1777年)からグエン朝の時期、およそ18~19世紀ごろの遺物で、トゥアンアン港に出入りしていた大型船が沈没した、もしくはいかりが船から落ちたものと考えられるという。