原子力発電関連機器の品質検査などを手掛けるフランスのアパーヴグループの100%子会社、アパーヴ・アジア太平洋有限会社が保管していた放射線装置が何者かによって盗まれた事件で、ホーチミン市警察及び同市タンビン区警察は18日午後、同装置を発見、回収した。
(C) thesaigontimes 盗まれた放射線装置 |
盗まれた放射線装置は、同市タンフー区フートーホア地区ブオンライ通り111/15番地にある家屋で発見された。この家屋及び周辺の放射能測定を行ったところ、放射能漏れは確認されなかった。
同市タンビン区警察は21日、同家屋に住む男(25歳)とその知人の男(23歳)を容疑者として逮捕・起訴。容疑者2人は金に困っていたため同装置を盗んだとしているが、ある人物の指示により盗んだだけで、それが何の装置なのかは知らなかったと供述している。
なお、放射線装置は非破壊検査に使用されるもので、外に放棄されれば人々の健康や環境に大きな影響を及ぼす強力な放射線源であるイリジウム192(Ir 192)を蓄えている。同装置の価値は3億7000万VND(約192万円)相当だという。
同装置は同市タンビン区第4地区グエンディンコイ通り521/67/60A番地にある家屋で保管されていたが、12日正午ごろ、アパーヴ・アジア太平洋社は同装置が盗まれたことに気付き、同市科学技術局へ通報していた。
※最終更新:2014年9月22日13:30 JST