現代ベトナム文学界の巨匠、作家トー・ホアイ氏が死去

2014/07/08 16:45 JST配信

 現代ベトナム文学作家トー・ホアイ氏が6日、ハノイ市の自宅で死去した。享年95。長年病気を患っており、入退院を繰り返していたという。

(C) saigongiaiphong
(C) saigongiaiphong

 ホアイ氏(本名グエン・セン)は1920年9月27日、現在のハノイ市ハドン区に生まれた。青年時代から教師や労働者、職人などを経験しながら、文学者を志していた。童話「コオロギ少年大ぼうけん」(De men phieu luu ky:1941年、日本語訳は2007年出版)がベストセラーとなった後、約60年にわたって長編・短編小説、童話、脚本など様々なジャンルの作品100編余りを世に残した。

 インドシナ戦争中の自身の経験に基づく少数民族の抵抗を描いた小説集「西北地方物語」(Truyen Tay Bac:1953年、日本語訳は1962年出版)で文芸大賞を受賞。その他にも多数の賞を受賞し、現代ベトナム文学を代表する作家として国際的にも知られ、同氏の作品は日本語でも翻訳・出版されている。

 特に「コオロギ少年大ぼうけん」は、ベトナム文学では誰も題材としてこなかった動物を主人公に描いた童話で、同氏の代表作となった。また、世界で最も多くの言語に翻訳されたベトナム文学作品でもあり、これまでに約20か国で翻訳・発行されている。

[Mai An, Saigon giai phong, 07/07/2014, 01:05 (GMT+7), A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 タイのバンコクで14日夜、2015年の東南アジア文学賞(Southeast Asian Writers Award=The S.E.A. Write...
 ハノイ市タイホー区のアウコー通りにベトナム文学博物館が開館した。同博物館は、ベトナム文学に関わる...

新着ニュース一覧

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)は22日、同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 ハノイ市人民委員会のグエン・マイン・クエン副主席は、電気とクリーンエネルギーを利用した公共交通シ...
 1969年1月19日、スイス人の若者3人が、フランス・パリのノートルダム大聖堂の高さ100m近い尖塔に登り、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)とペトロ
 決済プラットフォームの開発を手掛ける韓国のロードシステム(Load System)はこのほど、ベトナム情報通...
 ドラッグストア大手のファーマシティ(Pharmacity)の創業者クリス・ブランク氏はこのほど、ホーチミン市...
 ハノイ市ドンダー区クアンチュン街区タイソン(Tay Son)通り167番地に面した路地で、路面と排水システム...
 米国への留学生数に関する調査を実施しているIIE(米国国際教育研究所)が先般発表した最新レポート「
 ベトナム共産党政治局はこのほど、ホーチミン市に国際金融センター、南中部沿岸地方ダナン市に地域金融...
 ホーチミン市人民委員会は20日、1区のベンタイン市場、チャン・フン・ダオ廟、1区人民委員会庁舎などを...
 在ホーチミン日本国総領事館で19日、日本政府による令和6年度(2024年度)前期対ベトナム草の根・人間の...
 ホーチミン市では2025年年初から、市内を走る全ての補助金付き路線バスの運賃支払いをキャッシュレス化...
トップページに戻る