国籍法の規定によれば、海外在住ベトナム人(越僑)は、今年7月までに登録手続きをしなければ、ベトナム国籍を失うことになる。しかし約450万人いる対象者のうち、登録した人はわずか6000人にすぎない。
在外ベトナム人国家委員会主任のグエン・タイン・ソン外務次官によると、登録期間は2009年から5年間ほどあり、この手続きについて普及を図っていたという。登録が進まない主な原因は、世界各地で暮らす越僑のほとんどが多忙な生活を送っていて情報を調べる時間がないことや、国籍問題に関心がないことなど。
「越僑らは独立と自主性を重視しており、圧力をかけられる形ではなく国籍を守りたいと考えている。彼らはベトナム国籍の喪失は望まないが、義務的な登録も望んでいない」。ソン次官はこう述べ、登録期限の延長を政府に提案したことを明らかにした。
越僑がベトナム国籍を失うと、ベトナム国内に投資する際の優遇措置や、帰国永住、親族訪問などに対する便宜を受けられなくなる。現行の国籍法は二重国籍について明確に規定していないが、実際にはこれを認める制度が運用されている。ソン次官は、国籍法の改正を目指す考えを示した。