16日午後2時ごろ、ハノイ市中心部にあるホアンキエム(還剣)湖の大亀が連日の寒波に嫌気がさしたのか、湖面に浮かんで一休みしている様子を湖の近くに住んでいる大学生がカメラでとらえた。
(C) tinmoi, 湖面に浮かんだ大亀 |
ホアンキエム湖の大亀は、ハノイ市民にとって神聖な存在で、水上人形劇の演目にも登場するため、この存在を知る人は多い。伝説によると、ベトナムが中国の明に支配されていた15世紀、後にレ(黎)朝の初代皇帝となるレ・ロイが湖の宝剣によって明の駆逐に成功した。平和な日々が続いていたある日のこと、レ・ロイが湖を散歩していると神の使いである大亀が現れ、宝剣を持ち主である竜王に返すように言って、湖の底に持ち帰ったとされている。
また、ホアンキエム湖の大亀は、昨年10月に死去した「救国の英雄」ボー・グエン・ザップ将軍の遺体がハノイ市から北中部クアンビン省に移される日にも湖面に浮き上がり、複数の人に目撃されている。その話を聞いたハノイの人々は、「きっとザップ将軍に別れを告げるため、姿を現したのだろう」と口々に語った。