アゼルバイジャンの首都バクーで5日に行われた「第8回ユネスコ 人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」で、ベトナム南部のサロン・ミュージック「ダイトゥ(Dai Tu)」が無形文化遺産に登録されることが決まった。5日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。
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ダイトゥは19世紀末にフエの宮廷雅楽を元に作られた室内楽の一種で、結婚式や祭事などで演奏され、国内の音楽愛好家の間で親しまれてきた。ベトナム南部の歌舞劇「カイルオン(Cai Luong)」は「ダイトゥ」から派生したものと言われている。
ダイトゥは、主に月琴や独弦琴をはじめとする4種類の琴で演奏するが、楽曲によっては、これにギター、バイオリンなど他の弦楽器や笛などが加わることもある。演奏者は楽器を奏でながら昔話を元に作曲された唄を歌う。
これまでに無形文化遺産に登録された他の文化遺産と比べて、ダイトゥは最も歴史が浅い部類に入るが、ベトナム南部の生活に根付いた文化であり、現在も幅広い年齢層に親しまれている。
なお、今回の宣言ではこの他に、「和食 日本人の伝統的な食文化」や「韓国のキムチ作りの文化」などが無形文化遺産に新たに登録された。