ホーチミン市資源環境局気候変動課はこのほど、地球温暖化の影響で「2050年までにホーチミン市の面積の61%が浸水する」との最新調査の予測結果を発表した。1日付サイゴンザイフォン紙(電子版)が報じた。
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同市の7区・8区・ニャーベー郡では乾季になると浄水が不足するが、状況は日増しに悪化している。海水が遡上して川の表面水や地下水の塩分濃度が上昇する現象が、サイゴン川やドンナイ川で進行中だ。これ以上塩分濃度が上がれば、タンヒエップ浄水場やトゥードゥック浄水場で処理する水道水の品質や製造量に悪影響を及ぼし、処理費用の増大を招きかねない。
気候変動の影響は、農業、養殖業、工業にも及ぶ。経済協力開発機構(OECD)の研究によると、ホーチミン市は気候変動による影響を最も受けやすい世界の10都市の一つとされる。2005~2010年の間に浸水して使えなくなった農地面積は約4500ヘクタールで、損害額は11億7600万ドン(約527万円)に上る。
環境専門家らは、浸水する地区は今後も拡大し、浸水対策を施した場合でも都市部の生活に悪影響が及ぶようになるだろうと予測している。