東北部ハザン省メオバック郡カウバイ村の丘の上で年に一度行われる「ラブマーケット」がこのほど、通信社ロイターによって世界に紹介され、各国で注目を集めている。6日付キエントゥックが報じた。
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このイベントは毎年、旧暦3月26日と27日の2日間に亘って行われている。参加するのはヌン、タイ、サンチ、ロロ、ザオ、ザイ、フモンの各少数民族の男女数百人。「ラブマーケット」とは言うものの、恋人を見つけるために来るのではなく、以前愛し合っていたが結局結ばれなかったカップルが、この日ここに来て「元カレ」「元カノ」と語り合う。中には2日間も歩いて参加する人もいるほど、この民族たちにとっては大切な行事だ。
このイベントの始まりは、ロマンチックで悲しいラブストーリーに由来している。ヌン族の男がザイ族の美しい女と出会い、恋に落ちた。しかし当時、異民族との結婚が認められておらず、さらにこの2民族間で戦争が起こってしまったため、2人は2民族の平和のために悲しいながらも別れざるを得なかった。しかし2人は、たとえ結ばれなくても1年にせめて1度、3月27日に会おうと秘密の約束を交わした。この2人の逢瀬の物語が、現在のラブマーケットにつながったと言われている。
ラブマーケットの日、色とりどりの美しい民族衣装を身に着けた地元の俳優たちが、由来となった禁断のラブストーリーを再現するところからラブマーケットは始まる。地元のラオ・ミン・パオさんは妻帯者だが、毎年ラブマーケットで昔の恋人に会い、思い出話を語り合っているという。「もちろん妻は反対したりしないよ。彼女も昔の彼氏に会いに行くからね」と笑った。