週末の夜になると大勢の若者がファム・ディン・ホー公園(ホーチミン市6区)に集まってくる。彼らは工員や家政婦として働いている地方出身の出稼ぎ労働者だ。最初、この公園を訪れるのは近所に住む数人だけだったが、それぞれが同郷や同じ職場の友人に声をかけ、その友人がまた友人に声をかけるといった具合に徐々に人の輪が広がっていき、今では数百人もが訪れる日もあり家族や友人と離れて一人で働く若者にとって格好の出会いの場となっているという。中には噂を聞きつけて10キロ近い道のりを歩いてやってくる者もいる。
この様子は少数民族が恋人を求めて集まる"ラブマーケット"によく似ており、実際にこの公園で出会って結婚に至るカップルも多いという。一方、二股をかけられたり、金がないのを理由に恋人に捨てられたりといった恋愛に付き物のトラブルも発生しているが、ほとんどの若者たちは純粋な気持ちから運命の相手と巡り合うことを夢見ており、この公園を訪れることを日々の厳しい労働の糧としているようだ。