ホーチミン市最高裁判所は20日、大量の麻薬を密輸したとして、ホンバン大学在学中のチャン・ハー・ズイ被告(23歳)に死刑、その実妹でバンラン大学在学中のチャン・ハー・ティエン被告に終身刑の判決を下した。20日付ベトナムネットが報じた。
捜査当局によると、ズイ被告は2007年、同じバスに偶然乗り合わせたフランシスと名乗るケニア人の男と知り合い、連絡先を交換した。2年程経った頃、この男から急に連絡があり、海外の取引先に衣類のサンプルを送り届けてほしいと依頼された。海外に行くなど滅多にない機会だと考えたズイ被告は、この依頼を引き受け、その後も数度に亘り、荷物の輸送を手伝ったという。
依頼を引き受けているうちに自分が麻薬密輸に手を貸していると気付いたズイ被告だったが、1回の密輸で500~1000ドル(約4万~8万円)の報酬を受け取っていたため、麻薬密輸団の一員になることを選んだ。さらには実の妹であるティエン被告を麻薬密輸団に引き入れた。
2人の犯行が発覚したのは2011年7月18日、ティエン被告が麻薬4.1キログラムをスーツケースに隠し持っているのをタンソンニャット空港の税関職員が発見した。妹が逮捕されたことを知ったズイ被告もその後、自首してきた。
ホーチミン市人民裁判所では当初、両被告が戦時中に功績を残した家柄の出身だったことを考慮し、ズイ被告に終身刑、ティエン被告に禁固20年を言い渡していた。しかし、市検察院はこのような軽い刑では、麻薬密輸犯罪の抑止力に欠けるとし、最高裁に再審を求めていた。