近代的な機械設備を備えた食肉解体工場が、無認可で不衛生な屠殺・解体場に駆逐されつつある。1日付タイン二エン紙(電子版)が報じた。
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食品輸出株式会社(フーデックス)は、300億ドン(約1億1800万円)を投じて、ハノイ市ダンフオン郡に豚肉解体工場を建設。1日当たり処理能力1800頭の近代的な解体ラインを保有しているものの、現在の稼働率は僅か4%。解体頭数は1日当たり70~80頭に留まっている。
こうした食肉解体工場を脅かす存在が、昔ながらの屠殺・解体場の存在だ。その殆どが無認可で営業しており、獣医当局の検疫を受けていない。食肉解体工場よりも、解体コストが安い反面、衛生面に問題があり、農業農村開発省の調査によると、全体の55%の屠殺・解体場が衛生基準を満たしていないことが発覚している。
また、市場で売られている食肉の60%が細菌に汚染されており、解体前に死んでいる、或いは病気にかかった家畜・家禽の肉も平然と売られている。不衛生な食肉は全国の市場の店先に並び、行き着く先は最終消費者の胃袋の中だ。
全国には、食肉の解体業者が約3万件を数えるが、この内97%が小規模屠殺・解体場とされている。当局は、大規模な食肉加工工場の建設により、家畜・家禽の違法な解体を阻止し、食品安全管理を徹底していく方針を打ち出しているが、改善された気配は見られないのが現状だ。