国営の大規模病院では患者数が多くてさばききれないため、「超特急診察」が普通の状態になっている。診察時間はわずか数分で、話をほとんど聞かずに検査に回す医師が多いと、患者らは不満を訴えている。5日付ベトナムネットが報じた。
ハノイ市の中央小児病院で子供のお腹を診察してもらった母親のオアインさんは、「医師は二言三言質問しただけで超音波検査するよう指示し、私には何の説明もなかった。何の病気か尋ねると、検査の後で話すと言われた。診察時間はたったの1分だった」と話す。検査後に処方箋を書いている医師に恐る恐る病名を尋ねると、一言「直脱腸」との答え。それ以上尋ねる気にならず薬を買って帰ってきたという。
同病院に勤めるある医師は、「診察する患者数は1日当たり60~70人で、感染症が流行する時期には100人以上に上る。1日8時間ほとんど休みなく働いたとしても1人6~7分がやっと。診察するだけでも足りないのに説明する時間などとても取れない」と現状を語った。大規模病院の状況はどこも似たりよったりだ。
ただ、超特急診察の理由は他にもあると思われる。公立病院での給与が低すぎるため、病院勤務後に私立の診療所で高給を稼ぐ事が常態化しており、病院では「適度」に力を抜いて働く医師がいてもおかしくない。