資源環境省傘下の環境気象科学研究所はホーチミン市で7日、ベトナムの気候変動に関するシンポジウムを開催した。シンポジウムにおいて、同研究所は気候変動に関する最新のレポートを報告し、今後の予測シナリオを発表した。7日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
それによると、21世紀末には全国的な気温が現在より1.9~3.1度上昇し、35度を上回る日数が年間10~20日増加する。また、海面水位が58~73センチメートル上昇する見通し。海面水位の上昇が最も大きい地域は、メコンデルタ地方のキエンザン省からカマウ省までの地域で、62~82センチメートル上昇する。上昇が最も小さい地域の東北部クアンニン省でも49~64センチメートル上昇する見通し。
また、悲観的シナリオでは、21世紀末時点で海面水位が全国的に78~95センチメートル上昇し、海面水位の上昇が最も大きい前述の地域では、85~105センチメートル上昇する恐れもあるという。
今後、万全の対策をとらなければ、海面水位が1メートル上昇した場合、全国面積の6.3%に相当する2万0876平方キロメートルの陸地が浸水し、ベトナムの食糧安全保障を支える最大の稲作地帯であるメコンデルタ地方と紅河デルタ地方で、それぞれ39%、10.5%が浸水し、食糧危機に直面する。更に、ベトナムの最重要都市であるホーチミン市の20.1%も浸水する計算になるという。