現行の規定では外国人単純労働者の就労が禁止されているが、ニンビン省を始めとする北部の省では違法な状態で就労する中国人労働者が横行しており、その数が1500人に上る工場まで存在するという。20日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
不法就労者が多い理由は、中国企業がベトナム企業との間で複数のEPCI(設計・調達・施工・設置・試運転)契約を締結したため。ニンビン省労働傷病兵社会局によると、同省では外国人単純労働者を雇用している企業が26社を数える。外国人労働者数は当該企業の労働者数全体の15.2%を占める約2400人に上っているが、この内労働許可書を取得している労働者は717人に過ぎない。
特に、中国企業が建設を請け負っているニンビン窒素肥料工場では、就労する中国人労働者の数は1988人に上り、その内1392人が観光ビザで入国した不法就労者となっている。
また、地元住民から中国人工員のマナーに関する苦情が寄せられており、ベトナムの社会規範に反する行為が見受けられるという。更に国内の失業率が上昇傾向にあるなかで、中国人労働者の流入が加速している現在の状況は、地元住民と中国人労働者との軋轢を生むと懸念されている。