ベトナムでは婚前交渉をタブー視する傾向が強かったが、最近では「できちゃった結婚」の方が合理的とする考え方が広まっている。結婚後に子供ができないと分かると、不妊治療に走り回らなければならないからだ。18日付ベトナムネットが報じた。
ハノイ市に住む建設技師のトアンさんは「結婚は経済的な条件やお互いの気持ちが整ってからでいい。2人とも婚前交渉は問題ないと考えている。子供ができたと分かったらそのとき結婚すればいい」と話す。トアンさんの両親もこの考えに理解を示している。息子を持つ母親の中には「女性とはまじめにお付き合いしなさい。でも、妻にしたいと思った人とは関係を持っておきなさい」と奨励する人もいるという。
その背景には、不妊治療は多額の費用がかかるうえ、必ずしもうまくいくとは限らないという事実がある。保健省によると、ベトナム人女性の不妊率は8%で、この数字は上昇傾向にあるという。不妊の原因は男性側40%、女性側40%、両者10%で、原因不明が10%ある。
中央産婦人科病院のグエン・ティ・ホン・ミン医師は「性に関する正確な知識に欠ける若者たちが避妊薬を乱用したり、中絶したりするケースが少なくない。これらは将来の不妊の原因になるものだ」と若者たちに注意を促している。