ホンダ・ベトナムとピアジオ・ベトナムはハノイ市で16日、記者会見を行い、ベトナム造船産業グループ(ビナシン)傘下企業が部品を輸入・生産し販売をしていたスクーター「ダイアモンドブルー」について、ビナシンは2社の知的財産権を侵害しているとした声明を発表した。16日付サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
ダイヤモンドブルーは、ビナシンモーターの子会社リソハカが生産したもので、ピアジオ社のスクーター「ベスパLX」とデザインが酷似していること、また、リソハカがダイヤモンドブルーにはホンダの中国子会社である新大洲本田摩托(Sundiro Honda Motorcycle)が製造したエンジン(AF14E)が搭載されているとうたっていることが問題となっている。
ホンダ・ベトナムは記者会見で、ベトナムでホンダの商標を使用し製造・販売が許可されているのはホンダ・ベトナムのみであり、ダイアモンドブルーに搭載されているエンジンは、過去から現在に至るまで全世界のホンダの工場で製造されたことがないものだと述べると同時に、ビナシンによる知的財産権の侵害を指摘した。
またピアジオ・ベトナムは、ダイアモンドブルーは同社のベスパLXに酷似してるが、リソハカからはデザインに関する提携の打診・交渉は一切受けていないとし、ベトナムで60年以上もの歴史があるべスパのデザインを真似する行為は許されることではないと主張した。
これに先立ち、ベトナム登録検査局はダイヤモンドブルーが規定に準拠しているとしてリソハカに品質証明書を発行していたが、エンジンがホンダ製でないことが確定したことから、証明書を撤回するとともにエンジンにホンダのロゴを使用することを禁止した。