校内暴力が増加中、勉強のストレスが原因か

2009/08/22 05:37 JST配信

 ベトナムで校内暴力が増加中だ。先週ハノイで開かれた国際会議で、心理学研究所のファン・マイ・フオン博士は「校内暴力は複雑化し危険度も増している」と懸念を表明した。フオン博士によると、校内暴力は言葉によるいじめから殺人にいたるまで多岐にわたっており、中学生や高校生らがギャングを結成したり、校外でギャングと結託したりして、他の生徒らをいじめたり支配したりするのが普通になっているという。

 ハノイ国家大学人口研究・ソーシャルワークセンターのホアン・バ・ティン所長は「女子学生の暴力行動に関する最近の研究で、調査した15~18歳の女生徒200人のうち64%が何らかのけんかに関わったことがあるとの結果が出た。けんかの理由は色恋沙汰の復しゅうや憎み合いが多いが、理由のない場合もある」と語った。ティン所長によると、暴力行動を起こす女生徒の約半数が両親の愛情をあまり受けずに育ち、15%近くはまったく愛情を受けていないという。さらにけんかをした女生徒の約85%が、家庭内で暴力がふるわれていたと答えた。

 こうした結果について、ハノイ国家大学人文社会科学大学のグエン・ホイ・ロアン準教授は、問題の大半が勉強に関係していると指摘する。ベトナムの学生は将来良い職業に就くための唯一の方法とみられている大学入学という極端に厳しいストレスの下に置かれている。しかし毎年合格するのは受験者のわずか30%にしか過ぎない。学校での勉強は情報の詰め込み過ぎで、さらに塾に通う生徒も多い。ストレスや強いプレッシャーが認識されているにもかかわらず、大学を含む多くの学校では精神的負担に対処する手助けを行うカウンセラーをまだ配置していないのが現状だ。

[VietNamNet Bridge - 17:58’ 15/08/2009 (GMT+7) ]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 生徒同士による校内暴力が増加する中、多くの学校は道徳教育と並行して暴力から自分の身を守る方法につ...
 ハノイ市の生徒・学生の犯罪は、件数が増加傾向にあるばかりか凶悪化している。30日に開かれた「ハノイ...

新着ニュース一覧

 チャン・ホン・ミン建設相は、ベトナムを公式訪問していた中国の習近平(シー・ジンピン)総書記 兼 国家...
 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sungroup)はこのほど、ベトナム北部で最大規模となる複合都市区...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 イタリアンレストラン「サイゼリヤ」を展開する株式会社サイゼリヤ(埼玉県吉川市)は5月上旬、ホーチミ...
 2025年4月4日、ベトナム戦争末期の米軍による「オペレーション・ベビーリフト」の航空機墜落から50年を...
 フィリピン沿岸警備隊の沖合巡視船「BRPガブリエラ・シラン(BRP Gabriela Silang)」が14日、南中部沿岸...
 ベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学=VNU-HN)は14日、中国の清華大学との間で「ベトナム・中国大...
 タンパク質の受託発現や試薬・診断薬・医薬品原料の製造・販売を手掛けるKAICO株式会社(福岡県福岡市)...
 SGホールディングスグループのグローバル物流事業を担うSGHグローバル・ジャパン株式会社(東京都江東区...
 企業向け人工知能(AI)研修・活用サポートなどを手掛ける株式会社デジライズ(東京都港区)は、地場ルビナ...
 中国の習近平(シー・ジンピン)総書記 兼 国家主席を乗せた専用機が14日午前11時30分、ハノイ市のノイバ...
 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年3月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせ...
 大塚製薬株式会社(東京都千代田区)のベトナム現地法人である大塚ニュートラシューティカルベトナム(Ots...
 5月31日(土)・6月1日(日)の両日に東京・代々木公園イベント広場で開催される「ベトナムフェスティバル2...
 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)執行委員会は10日、「ベトナムの音楽家ホアン・バンの作品コレクシ...
トップページに戻る