- 24年の両国間貿易額103億USD
- 南シナ海問題に関する共通の立場維持
- 両首相の立ち会いのもと協力文書締結
ファム・ミン・チン首相は26日、ベトナムを公式訪問したシンガポールのローレンス・ウォン首相と会談した。ウォン首相は25日と26日にベトナムに滞在した。
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両首相は、政治的信頼を強化し、両国間の包括的・戦略的パートナーシップの突破口を開くべく、「断固とした適時な措置」を実施することで一致した。ウォン首相は、ベトナムの経済的成果を称賛し、ベトナムはシンガポールにとって東南アジア諸国連合(ASEAN)で最も重要なパートナーの1つだと強調した。
両首相は両国間協力の成果に満足の意を示した。中でも、経済協力は両国間協力の柱の1つとなっている。シンガポールはベトナムにとって韓国に続く第2位の投資国であり、2024年における両国間の貿易額は103億USD(約1兆5500億円)に達した。両国は経済だけでなく、国防・安全保障、教育、科学技術、観光、労働、人的交流などの分野でも協力を拡大している。
両首相はまた、両国経済の接続に関する協定やグリーン経済・デジタル経済パートナーシップを活用し、経済的な結びつきを強化し、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)ネットワークのスマート化・グリーン化(VSIP 2.0)や、再生可能エネルギー、フィンテック、国境を越えた決済の分野を推進することで一致した。
地域協力について、両国は南シナ海問題に関する共通の立場を維持し、航行の自由と安全を確保し、南シナ海行動宣言(DOC)を完全かつ効果的に実施するとともに、国連海洋法条約(UNCLOS)に準拠した実効性のある南シナ海における紛争の回避を目的とする行動規範(COC)の策定を進めることで一致した。
会談の末、両首相の立ち会いのもと、洋上風力発電、国境を越えた決済、イノベーション、人的交流に関する協力文書が締結された。
これに先立つ3月中旬、トー・ラム書記長はシンガポールを公式訪問し、ウォン首相とも会談した。双方はその際、両国関係を戦略的パートナーシップから包括的・戦略的パートナーシップへと格上げしている。
2025年3月26日現在、ベトナムと包括的・戦略的パートナーシップを結んでいる国は、◇中国(2008年)、◇ロシア(2012年)、◇インド(2016年)、◇韓国(2022年)、◇米国(2023年9月)、◇日本(2023年11月)、◇オーストラリア(2024年3月)、◇フランス(2024年10月)、◇マレーシア(2024年11月)、◇ニュージーランド(2025年2月)、◇インドネシア(2025年3月11日)、◇シンガポール(2025年3月12日)の12か国となっている。