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3月初め、チュオンサ諸島海戦のニュースを耳にしたハーさんは、心が燃えさかるように感じ、夫のことが心配で夜もぐっすり眠ることができない日々が続いた。
そして3月14日。ベトナムの声放送局(VOV)の放送で、夫と戦友たちがガックマー岩礁を守るために勇敢に戦い、犠牲になったと知ったハーさんは言葉を失った。
ハーさんは数日間、飲まず食わずで、ただ子供を抱きしめて泣いていた。その様子を見かねた夫のきょうだいたちが、北部紅河デルタ地方ニンビン省からハーさんのいるカインホア省まで迎えに来て、ハーさんと子供を夫の故郷に連れて行った。
故郷では、夫の親戚たちが慰め、励ましに来てくれた。孫を抱くたび、残されたハーさんたち母子に対する同情、そして若くして祖国のために犠牲になった息子に対する同情から、夫の母親の目には涙があふれた。
ハーさんは、ここで負けてはいけないと思い直し、子供とともにカインホア省に戻った。昼間は建設作業員として働き、夜は子供の世話をした。
37年間、夫と暮らした地で、女手一つで子供を育ててきたハーさんは、慰霊碑に刻まれた夫の名前を見るたびに涙をこらえることができない。「私はあなたとの約束をきちんと守ったわ。娘は立派に育って、私の世話もしてくれるようになったの。でも、あなたは一体どこにいるの…」。ハーさんは今もずっと、夫を想い続けている。