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自分自身のことについては言葉少なだが、受刑者のことになると熱く語り出す。クエン大尉によれば、ラオスの少数民族の女性受刑者を受け入れたときは特に大変だったという。刑務所にはこの女性受刑者の言語を話せる人がおらず、クエン大尉はボディランゲージを使ってコミュニケーションを取るしかなかった。
こんなこともあった。あるとき、外国語を知らないアジア人の受刑者が、ヨーロッパ出身の受刑者と一緒に刑務作業をすることに強く抗議した。そこでクエン大尉が「裁判官」になり、双方の話を聞いたところ、この争いは双方の言語と文化の違いが発端だということがわかり、問題を根本的に解決するため、双方に徹底的に説明したのだった。
「受刑者たちに学ぶ意欲があるということがうれしいです。今はほとんどの受刑者が基本的なベトナム語を話したり、理解したりできるようになり、国の情状酌量の政策などを伝えるのも楽になりました。だからこそ、受刑者たちも、一刻も早く家に帰るべく、改心に努めています」とクエン大尉は語る。
同じ舎房に勤めるチャン・バン・チュン中佐(男性)は、外国人男性受刑者の矯正教育に携わって18年になる。受刑者たちはそれぞれ異なる性格や文化を持っているが、受刑者に矯正教育や説得をし、改心させるという点は共通している。そのため、チュン中佐のような刑務官たちは、受刑者の個々の特徴をよく理解し、それぞれに適した対応をしなければならない。