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何か月にも及ぶ訓練を経て、ハトの「戦士」たちはレースに出場し、無数の試練や危険を乗り越え、数百~1000kmの距離を飛んでレースのチャンピオンを目指す。
ホーチミン市8区在住のグエン・タン・フォンさん(男性・1979年生まれ)は、時間が空くとまだ若いハトを撫で、世話をする。このハトはレース鳩の卵で、フォンさんは今後のレースに向けて準備をしている。
2000年代からホーチミン市の愛鳩家の間では鳩レースについて知られていたものの、当時はまだ自分のハトを持ち寄って競争させるだけだった。2009年ごろ、ホーチミン市にレース鳩のグループや協会が現れ始めて以来、プロの鳩レースの大会が開かれるようになり、今や多くの参加者と見学者を集めている。
ブリーダーたちはレース鳩を「戦士」、鳩舎を「基地」と呼ぶ。ブリーダーは自分の戦士を1000kmの距離のレースに出場させるため、自分で基地を作り、自分で訓練をする。
「基地は単なる鳩舎ですが、見た目や出来栄えが良い基地を作りたければ、ブリーダーは色々な基地を参考にしなければなりません。基地はハトが暮らす場所であり、レースで疲れ果てて帰ってくる場所でもあるので、とても重要で、お金をかける必要があるんです」とフォンさんは語る。
基地を作った後、最も難しい作業は戦士の訓練だ。サイゴン鳩協会の会長であるトー・チャンさんによると、レース鳩はベトナムの在来種や観賞鳩ではなく、いずれも外来種の「子孫」だという。
「以前はレース鳩といえば主にタイや中国の品種でしたが、後にヨーロッパからも入ってくるようになりました。彼らはレースという唯一の目的のために、幼いころから予防接種を受け、大切に育てられます」とチャンさん。
良い品種を選んで5~7日かけて孵化させると、ブリーダーはハトに脚環をつける。数か月経つと羽も十分に育ち、ようやく飛行訓練を始めることができる。最初は空中をぐるぐると飛び回る訓練から始める。この訓練は、羽を強くし、またハトに自分の基地を覚えさせることが目的だ。