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病気のせいでランさんは仕事ができなくなり、森にも入らなくなった。ランさんは自宅にこもり、時々食べ物を買いに外に出るくらいだ。自宅にある2つの土鍋は、以前は1つが森用、1つが自宅用だったが、ここ半年は1つが水用、1つが薬用になっている。
物事は重なって起こるもので、実はランさんのがんが発覚した直後、チーさんも腹痛に苦しんだ。しかし、チーさんは一家の大黒柱で、兄のランさん、妻、13~20歳の3人の子供を養わなければならないため、健康を維持するには仕事を減らすしかなかった。
兄のランさんが痛みに苦しんで身もだえする様子を目にして、チーさんは心が痛んだが、どうすればよいのかわからなかった。ランさんは40年間も森で古代人のような生活を送っていたのに、なぜ今になって病気になったのかも理解できなかった。
医師や親戚たちの言葉からチーさんが説明するには、おそらくランさんは森にいる間は酒を飲まなかったが、村に戻ってから酒の席に誘われることが多くなったこと、もしくはランさんが食べ物に調味料を入れすぎることが病気の原因ではないかということだ。
幸いなことに、ランさんは痛みを感じながらも「がんという病気」が何なのかわかっていないため、恐怖は感じていないのだという。
ランさんはもうバナナを育てたり、畑を耕したり、水牛の世話をしたりすることはなくなり、弟のチーさんが持ち帰った材料を使って自宅にこもってかごやざるを編み、近所の人たちに売っている。3日がかりでようやく1つが完成し、6万~7万VND(約285~330円)で売る。こうして収入を得ながら、兄弟はなんとか食いつないでいる。
チーさんは兄に薬を手渡しながら、「どうにかして兄の病気を治してあげたい、痛みを和らげてあげたいと願うばかりです」と語った。
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