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40年間もジャングルの中で暮らし、2013年8月に父親とともに保護された「森の人」ことホー・バン・ランさん(男性・52歳※)は、村に戻って今年で8年が経つ。南中部沿岸地方クアンガイ省チャーボン郡チャーフォン村チャーガー村落に弟と暮らしながら、肝臓がんと闘っている。
去年の今ごろはまだ、弟のホー・バン・チーさんや近所の人たちと一緒に田んぼを耕していたが、今では台所をうろうろするだけだ。弟は台所のかまどのそばに座り、薬を煎じて兄に飲ませる。
ビンロウの実が入った袋を手にし、キンマで歯を黒くするのが好きなランさんだが、笑顔に以前のような自然さはなくなっている。ランさんは痩せこけ、日焼けした肌も青白く見える。
今から8年前の2013年、ベトナム戦争中にジャングルの中へ逃げ込んでから40年間も2人だけで古代人のような生活を送っていたランさんと父親のホー・バン・タインさんが保護され、村に連れ戻された。
保護された当時のランさんは村人や親戚たちに当惑していたが、今は自身の病気に当惑している。「しんどいですよ。チーたち夫婦が仕事をして私の病気を治すための薬を見繕ってきてくれます。長生きして、甥姪が成長するのを見届けたいものです」とランさん。
チーさんによると、ランさんは自宅から4km離れた山中にある小屋で暮らしていた去年から、腹部と胸部の間に痛みを感じていたという。その時はチーさんもただの腹痛だろうと思い、山間部で「万能薬」とされる葉っぱを兄のために採りに行き、煎じて飲ませた。
※2019年の時点では47歳と報じられていたが、直近の現地紙の記事では52歳となっている。