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クイットさんは、これまでに一体何枚のマスクを縫ったのか、もはやわからないという。布を切っては縫い、完成したらまとめて束にする。そして女性の会のメンバーが持ち帰り、洗濯してアイロンをかける。こうしてクイットさんお手製のマスクが人々の手に渡る。
布を使い切ってしまい次の布が届いていないと、クイットさんは女性の会に催促する。しかし、女性の会のメンバーはクイットさんが仕事に貪欲なあまり健康に影響を及ぼすのではと心配し、時に冗談めかして「もう布はありませんよ」と言ったりもするのだという。シーツと違って、マスクを縫うのは細かさと器用さが求められる。そのため、集中して縫い目に気を付けていると、すぐに目が疲れてしまうのだ。
ここ数日は、女性の会のメンバーが布の裁断を手伝っている。「手の力が強い人たちは1度に3~4枚まとめて裁断できますが、私は弱っているので1枚しか切れません。感染症が流行するこんな状況の中、たくさん助けられる人はたくさん助け、私のような高齢者は少しでも助けられるだけ助ける、それも同じことです」とクイットさんは語った。