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チャン・レ・フンさん(男性・66歳)は、6か月かけてアジア大陸とヨーロッパ大陸をバイクで横断した。その間には、チェーンが2回切れ、タイヤを3本交換し、数えきれないほど転倒した。
機械技術者だった若かりし頃から、フンさんはあちこち移動するのが好きだった。2018年、バイクで世界を旅したベトナム人の若者ダン・コアさんをきっかけに、フンさん自身も旅に出ることを思いついた。
フンさんは新しく大型バイクを購入し、半年かけて身体を調整した。2018年の冬から2019年の夏にかけて、来る日も来る日も重量200kgのバイクを慣らし、雨でも真夜中でもあらゆる地形を走った。そして、地図の読み方や目的地の国々の宗教や政治を学んだ。
「身体を鍛え、持久力を高めるために、気温10度以下の寒さで紅(ホン)河に泳ぎに行き、サッカーをし、武術も練習しました」と、身長1.6m、体重52kgのフンさんは語る。
そして2019年7月2日、フンさんはついに同行者のガイドとともに出発した。
その日、ラオスの国境を越えて50kmほど走ったところで最初の事故が起きた。「悪路に入り、不注意であまりにも大きくカーブしてしまい、ハンドルを制御できなくなりました。崖から落ちないよう道端の距離標に突っ込みました。バイクのフロント部分は破損し、タイヤはリムから外れ、私は吹っ飛びました」とフンさん。「ここで転倒したことでその先さらに注意深くなれる、と幸運に感じました」。
通常は毎日20L(400km以上分)のガソリンタンクが空っぽになるくらい走っていたが、日によってはビザの期限に間に合うよう、気温40度以上の暑さで中国や新疆の砂嵐の中を1000kmも走らなければならないこともあった。