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人間とは素晴らしい機械
エベレスト登頂により築かれたニエンさんのその後の道のりには、色々なことがあった。「エベレスト征服者」として職探しに苦戦したことから始まり、短い期間ではあったがアスリートとしてクライミングで成功を収め、起業し、借金を抱え、裕福になり、そして映画に出演した。しかし、一番重要なことは、エベレストがニエンさんを恐れ知らずの人間に変えたということだ。
「私のようにエベレストで死の危機に直面した人は、怖いものなどもう何もありません。何かをするときには徹底的に努力をしてきただけです。自分自身を最も困難な環境に置くのが好きなんです。人間とは素晴らしい機械であり、意思と尽きることのないエネルギーを持ち続けることで、その機械の可能性を十分に引き出すことができるんです」とニエンさんは語る。
そしてその考えとともに、ニエンさんはエベレスト征服後も様々な挑戦をすることに躊躇しなかった。彼はファンシーパン山の頂上に国旗を掲揚するマラソンに参加し、またスタントマンを使わないアクション映画に出演し、北極マラソンにも挑戦した。
多くの人は、ニエンさんがアスリートとしてではなく、より華やかに見える起業家や俳優として見られることを望んでいると考えるかもしれない。しかし、今年34歳になる彼自身によれば、自分の最大の強みはクライミングであり、最もやりたい仕事は登山ガイドなのだという。
目標を達成することに加え、ニエンさんは新記録を達成することにも意欲的だ。ニエンさんは再びエベレストに登り、「山頂で最も長い時間服を脱いだ記録」を破ることに挑戦する計画があることを教えてくれた。
ニエンさんが出演する映画「ハイ・フォン」は、5月22日から映像ストリーミングサービス「ネットフリックス(Netflix)」でも視聴できる。