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オーストラリアはニューサウスウェールズ大学の大学院に在籍するグエン・ベト・フンさん(男性・28歳)は、180cmの長身に端正な顔立ちが印象的だ。微生物を研究するフンさんは、8月にドイツのライプツィッヒで開催された第17回国際微生物生態学会(ISME17)で、水産養殖における病気予防への応用が期待できる新種の微生物を発表した。
世界各国から2000人を超える微生物の研究者が一堂に会するこの学会で300人が口頭発表をしたが、その中でフンさんは唯一のベトナム人研究者だった。
フンさんはなんと8種類もの新種微生物を発見しただけでなく、それらの微生物が最良の状態で生息できる環境を知るために、微生物の特性を調べる方法を導き出した。これにより、必要に応じて微生物を培養して植物や動物に有益な要素を増やすことができるという。
メコンデルタでは、あらゆる養殖魚や甲殻類が疫病で死亡する事例が多発しており、主な原因は環境の変化や土砂とされている。環境の変化などにより生物に有益な微生物が生態学的機能を失うことで、水中の硫酸水素塩やアンモニアなどの物質が急増し、魚や甲殻類が死亡してしまうのだ。
このような場合にフンさんの研究技術を応用すれば、魚や甲殻類に有益なだけでなく、この悪環境でも生き残れる微生物を研究・培養し、生態系を再生することが可能になる。さらに悪環境を生み出したのが微生物だった場合に、フンさんの技術を応用すれば、微生物1種類ずつを培養し、DNA分析をすることなく、大量の微生物の中からどの微生物が原因なのかをいち早く見つけ出せる。