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フイさんは、ベトナムと世界で認められたオリジナルの義手ロボットの完成までに1年近くを要した。しかし、フイさんが義手ロボットの製作にかけた費用は合わせてわずか約300万VND(約1万4900円)だという。
フイさんの義手ロボットはプラスチック製で、本物の大人の手のように5本の指がついており、それぞれの指を曲げ伸ばしたり、手のひらを裏返したりすることもできる。操作は、これもまた自作のセンサーの付いたゴム製サンダルを履いて、足の指で義手ロボットの指を動かす仕組みだ。
国家レベル科学技術コンテストに出品したこの義手ロボットには審査員も感銘を受け、実際の応用に向けた可能性を評価した。フイさんは、「僕にとって最も大きな夢は、引き続きこの義手ロボットの完成度を高め、障がい者の日常生活をより便利にすることです」と話す。
「インテル国際学生科学技術フェア」でめでたく3位に入賞したフイさんだったが、大会出場に至るまで一筋縄にはいかなかった。大会参加に向けてフイさんと指導教員が米国行きのビザを申請するも、条件を満たしていないとして2回も許可が下りなかったのだ。三度目の正直で大会直前にフイさんのみ許可が下り、なんとか大会に出場することができた。
このため、今回の受賞はフイさんだけでなく、フイさんの家族や学校関係者にとっても喜びもひとしおの結果となった。フイさんは今回の受賞について、「まさか受賞できるとは思ってもみませんでした。みなさんの助けがなければこのような結果は得られませんでした」と喜びを語っている。